新型コロナ感染症の経口内服薬について
2022年07月30日
重症化リスクが高い陽性者に使用できるラゲブリオ(新型コロナ内服薬)について
ラゲブリオ®(一般名:モルヌピラビル)は新型コロナの治療飲み薬です。抗ウイルス剤で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のRNAに取り込まれることにより、ウイルスの細胞内での増殖を阻害します。赤いカプセルで1回4カプセルで朝、夕の2回で5日間内服です。
ラゲブリオ®は他の薬剤との併用や食事に関する制限、腎機能や肝機能障害における用量の変更の必要のない薬です。
催奇形性が認められており、妊娠の可能性がある方や妊娠中の方は禁忌です。
「適応」は18才以上で以下の重症化リスクのある方が対象となります。
▽ 61歳以上
▽ 活動性のがん
▽ 慢性腎臓病(CKD)
▽ 慢性閉塞性肺疾患
▽ 肥満(BMI30kg/m2以上)
▽ 重篤な心疾患(心不全、冠動脈疾患又は心筋症)
▽ 糖尿病、ダウン症、脳神経疾患(多発性硬化症、ハンチントン病、重症筋無力症等)
▽ コントロール不良の HIV 感染症及び AIDS
▽ 肝硬変等の重度の肝臓疾患
▽ 臓器移植、骨髄移植、幹細胞移植後
主な副作用と発生率を見ると、下痢が1.7%、吐き気・ムカつき(悪心)が1.4%、めまいが1.0%。この他に1%未満の発生率でじんましん・湿疹、嘔吐、また頻度不明なものとして薬剤による中毒性湿疹があります。
論文では、上記リスクの高い人の中で試験が行われています。「プラセボ対照、ランダム化二重盲検試験にて、発症 5 日以内の治療開始でプラセボ群(699 名)の重症化が 68 名(9.7%)に対し、治療群(709 名)では 48名(6.8%)と、相対的リスクが 30%減少となった。また、死亡例は治療群で 1 名(0.1%)に対して、プラセボ群では 9 名(1.3%)と治療群で少なかった。有害事象の報告は、治療群で 216 名(30.4%)とプラセボ群で 231 名(33.0%)であった。」となっております。
胎児に影響が出るので妊婦や授乳中の人には使えず18歳以上の上記リスクの高い人に使えます。副作用は消化器症状が出ることがあるが重症化が30%減少し死亡率も1.3%から0.1%まで下がります。リスクの高い人でも軽症の場合、入院ができない状態に現在なっておりリスクが高く、ラゲブリオ投与の希望がある方は陽性と判断されれば投与しますのでweb問診で記載してください。