帯状疱疹ワクチンについて
2024年02月28日
帯状疱疹は、脊髄から出る神経節という部位に潜んでいる水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが活動を再開することで発症します。ピリピリと刺すような痛みから始まり、続いて小さな水ぶくれ(水疱:すいほう)と発疹(ほっしん)が帯状に現れることから、帯状疱疹という病名が付けられています。はじめて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染するのは、子どものころがほとんどですが、その時には水ぼうそうとして発症します。
水ぼうそうが治った後も、ウイルスは脊髄から伸びる神経節にじっと潜んでいます。健康で免疫が維持されている間は、水痘・帯状疱疹ウイルスの活動は抑えられ、病状を呈することはありませんが、加齢や疲労、ストレスなどにより免疫力が低下すると、ウイルスが再び活動を開始し、増殖したウイルスは、神経の流れに沿って神経節から移動、皮膚に達して、帯状に痛みや発疹が現れるようになります。日本人では80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。
帯状疱疹の皮膚の症状が治まった後も長期間にわたって続く痛みを帯状疱疹後神経痛(PHN)といいます。加齢とともに帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行リスクは高くなり、50歳以上の患者さんの約2割が移行するという報告もあります。
帯状疱疹後神経痛(PHN)によって生じる痛みは、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが知覚神経を傷つけることによって起こります。ウイルスによって傷つけられた神経の回復には時間がかかる場合があり、特に高齢者では症状も治療も長引く可能性があるため、帯状疱疹の発症自体を予防することの重要性は高いと考えられています。
帯状疱疹の予防には、50歳以上の方を対象としたワクチンがあります。水ぼうそうにかかったことがある人は、すでに水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得していますが、年齢とともに弱まってしまうため、改めてワクチン接種を行い、免疫を強化することで帯状疱疹を予防します。予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、たとえ発症しても症状が軽くすむという報告があります。
帯状疱疹ワクチンは2種類あります。
ワクチンの詳細はhttp://www.yamashita-clinic.info/news/entry403.htmlを参照ください。
東近江市市民の方で、帯状疱疹ワクチン接種時に東近江市に住民票がある50歳以上の人で、令和6年4月1日以降に接種した人に対して補助が出ます。以下東近江市の助成の内容です。
★いずれか1種、生涯に一度限りの助成
生ワクチン(水痘生ワクチン) 助成回数1回 4000円
不活化ワクチン(帯状疱疹ワクチン)助成回数2回 1回につき10000円
申請期間
接種日から1年以内
申請場所・方法
東近江市役所 健康推進課 窓口申請または郵送申請
※申請に関する問い合わせ先:東近江市健康推進課 電話番号:0748-24-5646 IP:050-5801-5646
申請に必要なもの
1.帯状疱疹に係る任意予防接種費用助成申請書(院内や市役所に置いてあります。)
2.接種費用の支払いを証明する書類(領収書または明細書)の写し
3.接種記録が確認できる書類(予防接種済証または予診票)の写し
4.振込希望先金融機関の通帳またはキャッシュカードの写し
5.被接種者の氏名、住所および生年月日が確認できる書類の写し
※接種時住所記載のマイナンバーカード、住民票、運転免許証、健康保険証(両面)などのいずれか一つ
(申請者と被接種者が異なる場合は双方のものが必要)
郵送申請時の送付先
〒527-8527 東近江市八日市緑町10番5号 東近江市健康推進課 帯状疱疹費用助成担当宛
その他
書類審査後、助成金を振込します。(交付決定通知は送付しません)
申請から振込までに2か月程度を要します。
当院では生ワクチン(水痘生ワクチン)と不活化ワクチン(帯状疱疹ワクチン)どちらも接種できます。両方の比較を載せています。免疫低下状態では生ワクチンは接種できません。また、不活化ワクチンは副反応が強いのと値段が高いというデメリットがありましたが効果が非常に優れており補助金がついたので副反応が許容できるなら不活化ワクチン一択と個人的には考えます。